鼎春園は、御船町の中山間地域である上野茶屋本にあります。
御船の先哲である肥後勤王党の総師宮部鼎蔵とその弟春蔵を追慕する旧七滝村民によって、1913（大正2）年につくられました。
阿蘇外輪山や大矢野原を見晴らす絶景の大地を開き、二人の名を一字ずつとって名づけた記念公園です。ツツジの咲くころは特に美しく、地元の人たちの憩いの場となっています。
公園の中央に、高さ五メートルほどの巨大な鼎蔵の顕彰碑があります。1864（元治元）年、京都池田屋騒動で殉難した鼎蔵の五十年記念に建てられたもので、篆額は細川護茂、選文は竹添井井です。竹添は肥後出身の外交官であり、すぐれた漢学者でした。顕彰碑の左右に1943（昭和18）年に建てられた兄弟の歌碑が立っています。積み上げられた碑石は宮部邸の礎石が使われています。